和室から洋室にリフォームするメリットとは?
生活をしていく上で「子どもが独立した」「親と同居するようになった」「生活スタイルが変わった」などの理由によって間取りを変更したり、和室を洋室にリフォームしたりするということがあります。
そこでここでは和室を洋室にリフォームする際の具体的なリフォーム内容、メリット、注意点などについて紹介していきたいと思います。
和室を洋室にリフォームする際のメリットとは
近年和室を洋室にリフォームすることが増えてきています。
これは和室を洋室にすることにメリットがあるからだと考えられています。
そこでここでは和室を洋室にするメリットを紹介していきます。
バリアフリーにすることで高齢者が生活しやすい
若いうちはそれほど気にならないことが多いのですが、高齢者になってくると和室の段差や畳が不便に感じることがあります。
特に車いすを利用する人などの場合は畳の上では利用しにくく、畳を傷つけてしまうということもあります。
その場合、和室を洋室に変更してフローリングにすることによって大きく移動がしやすくなるでしょう。
また、最近では部屋や廊下、階段などに手すりをつけることが多くなっていますが、こうした手すりをつけるのも和室より洋室の方がなじみやすいということがあります。
さらに和室では一般的に布団を使うことが多くありますが、布団から起き上がったり、布団を押し入れに直したりするのにも大きな負担となります。
洋室ではベッドやソファを利用することが多く、これらの方が高齢者の負担が少ないために生活がしやすくなります。
カビ、ダニなどが発生しにくくなる
畳は水をこぼしたりすると湿気を含んでしまいます。
畳が湿気を含むことによってカビやダニが発生しやすくなります。
フローリングであれば水をこぼしたりしても拭き取り掃除をすれば湿気を防ぐことができるため、カビやダニの発生を抑えることができます。
カビが発生するとシックハウス症候群になることがありますし、ダニもアレルギーがある人にとっては重要な部分と言えます。
家具の跡が残りにくい
畳の上にタンスなどの重い家具を置くと凹んでしまい、元に戻らなくなります。
ただ、一般的なフローリングは床が硬いのでこういった跡が残りにくいという特徴があります。
頻繁に家具を移動させたい、模様替えをしたいという人にとっては畳の和室よりもフローリングの洋室の方が良いでしょう。
ただ、クッションフロアは表面が柔らかいために重い家具を置くと凹んでしまうので注意が必要です。
畳が傷んでしまうと張替えが必要となってきます。
畳は古くなると変色してしまうこともありますので、変色や傷みがあるたびに張替えをしていると費用が高くなるという特徴があります。
洋室にすることでこうした費用も必要なくなります。
和室を洋室にリフォームする際の具体的な作業と相場とは
和室を洋室にリフォームする際に具体的にはどういった作業を行っていくのでしょうか。
また、その作業にどれくらいの費用がかかるのでしょうか。
ここでは具体的な作業とその相場について紹介していきます。
床の張替え作業
和室を洋室にリフォームする際には畳をフローリングに張り替えることとなります。
部屋の広さにもよりますが、6畳~8畳ほどの部屋であれば20~30万円ほどの費用がかかります。
この際、フローリングをどういった素材にするのか、断熱材を追加するのか、下地処理をどれだけするのかといったことによっても費用は違ってきます。
他にも防音性能を高めるような機能を追加していくごとに費用は高くなっていきます。
天井と壁の張り替え作業
和室の天井や壁を洋室にリフォームする際には30万円前後の費用がかかります。
もともとの壁が土壁だった場合は、まず下地の塗装から始めていかなければいけません。
その土壁も状態が悪ければ、既存の土壁を一度剥がして塗り直す必要があるため撤去作業や剥がす手間などで追加費用が発生してきます。
単純に壁紙を上から張るだけであれば、費用はかなり抑えることができます。
ふすまをドアに変更する作業
和室のふすまをドアにリフォームする際には10~25万円前後の費用がかかってきます。
もともとのふすまを引き戸に変更する場合には形状が近いということもあって、小規模な工事で済むことが多いのですが、開き戸であるドアにする場合は工事が大規模なものとなることが多く、費用も多くかかることとなります。
また、ドアの素材によっても費用が違ってきます。
押し入れをクローゼットに変更する作業
和室の押し入れをクローゼットに変更する場合はパターンによって工事期間や費用が大きく違ってきます。
比較的小型の壁面クローゼットを設置する場合であれば、それほど費用もかからないのですが、ウォークインクローゼットを設置する場合には工事の規模が大きくなっていきます。
また、間取りを変更してウォークインクローゼットを新設する場合などには追加費用がかかってくることとなります。
和室を洋室にリフォームする際の注意点とは
和室を洋室にする際にはメリットも多いのですが、注意しなければならない点もあります。
ここではそういった注意点を紹介していきます。
音が響きやすいので防音対策をする
フローリングは畳ほど衝撃を吸収しないために、音が響いてしまうという特徴があります。
何か物を落とした時などはかなり音が響いてしまうのです。
マンションなどの場合は下のフロアにも音が響きやすくなっているため、「遮音等級」が設定されていることがあります。
この場合は音が響きにくいように防音対策を行う必要があります。
防音性が高い床材を使用するなどの工夫をしましょう。
足元が冷えやすいので冷え対策をする
和室の畳と比べると洋室のフローリングは冷たく感じることが多く、特に冬場は足元からゾクゾクと冷えてくることがあります。
特に寒さに弱い人からすると影響が大きい部分だと言えます。
・床に断熱材を入れる
・床暖房システムを導入する
・靴下やスリッパを履いて過ごすようにする
といった対策が必要になってきます。
湿気対策を行う
畳をフローリングに変更する床部分については湿気に強くなることが多いのですが、押し入れをクローゼットに変更する場合には湿気対策を行うことが重要となります。
押し入れの換気をしっかりとしていなかった場合などは押し入れがすでにカビ、腐食、結露などで傷んでいるということもあります。
クローゼットに変更する際に湿度を調節できるような素材を使うことによってカビなどの発生を抑えることができるでしょう。
マンションの場合は規約を確認しておく
賃貸物件の場合はもちろんですが、分譲マンションの場合であっても規約によってはリフォームができない場合があります。
物件によってはこういったリフォーム自体が禁止されている場合もあるため、和室を洋室にするような規模のリフォームはできないということがあります。
また、リフォームは構わないが退去する際には原状回復が要求される場合もあります。
大規模なリフォームを行ってしまうと原状回復ができないということもあるため、注意が必要です。
さらにマンションによっては防音の規定などがある場合もあるため、事前に確認しておかなければいけません。
部屋の組み合わせや工事の種類によっては高額になる場合も
リビングに接している和室部分を洋室にする場合などは、簡単に洋室に変えてしまうような工事から、段差をすべて無くす、天井や壁などもリビングと一体化させるなど工事の規模が大きく違ってきます。
すべてリビングと統一していくような工事を行う場合には費用が数百万円かかる場合もあるので、業者に事前確認をしておきましょう。
費用が高額になる場合は自治体の助成金を利用する方法もある
和室を洋室にするようなリフォームを行う場合はどうしても費用が高額になってきてしまいます。
こうした際には条件を満たすことによって自治体から助成金が支給される場合があります。
ただ、この助成金は自治体によって大きな差がありますので、これも事前に確認が必要です。
自治体によって用意されている助成金が違っている
リフォームを支援するような助成金の中にも「耐震性能を高めるため」「介護など高齢者支援のため」などさまざまな種類のものがあります。
こういった助成金については地方自治体によって、ある場合とない場合がありますし、助成金の金額が支給される条件などについても違っています。
自分が住んでいる自治体の助成金については、自治体の公式ホームページや役所の担当窓口で確認することができます。
助成金を受けることができる条件とは
助成金が用意されている場合であっても、必ずそれを利用できるとは限りません。
それぞれの助成金には利用できる条件が設定されており、その条件を満たしていなければ助成金を受け取ることはできないのです。
条件にはどういったものがあるかの例を紹介していきます。
・一定の収入制限がある
・他の助成金を利用していないこと
・施工するリフォーム業者はその自治体にある業者であること
・必要書類を不備なく提出すること
・上限金額が設定されている
といった条件です。
こういった条件は自治体によって違っていますので、必ず確認してからリフォームするようにしましょう。
まとめ
子どもが独立したり、住んでいる人の高齢化などによって和室を洋室にリフォームするという工事が増えてきています。
その際、壁紙や床材、段差、クローゼットなどどこまで変更するのか、統一感にこだわるのかということによって工事の規模が大きく変わり、工期や費用も違ってくることとなります。
どこまで工事をするのかについては業者と相談しながら決定していくと良いでしょう。
また、マンションなどの場合は規約によってリフォームができないという場合もあるので必ず事前に確認しておきましょう。